在宅ワーク・エドテック・eラーニング、メリットとデメリットを考える

仕事も学びもとにかく家で。または場所や時間を選ばず自由なスタイルで。それが可能な、在宅ワーク・エドテック・eラーニングのメリットデメリットを考えてみます。

在宅のメリット(ワーク・学習)

近年人気が高まっている在宅ワークや自宅学習のメリットは何といってもその自由さでしょう。家で仕事できるということは、通勤にかかる時間的なロスや、通勤電車によるストレスを減らすことができます。これによって、これまで当然のように存在した仕事への制約が、大幅に減ることになるのです。

まずは、子育て中の人にとって、子どもの預け先がなければ仕事ができないというこれまでの常識を覆すことができるのは、大きなメリットです。さらに骨折などの一時的な身体的事情により通勤がつらい時に、在宅ワークを選択できれば、長期休業を避けることができます。

場所だけでなく時間も、昼の何時から何時と限ったものではないので、昼に限らず夜でも朝でも、自分のタイミングで仕事に取り組むことができます。実際に在宅ワーカー兼フリーランスだった時には、とにかく好きな時間に仕事をして、主に昼しか空いていない「役所」や「銀行」への手続きも好きに行けたので、この点はすごく楽でした。そして、少し具合が悪くなればそのタイミングで病院にも行けるので、風邪をこじらせることは大幅に減りました。

この、時間や場所によるメリットはeラーニングやそのほかの自宅学習ツールにも言えることで、とにかく自分のタイミングでやりたいときにマイペースに進めることができます。社会人になるとみんな結構忙しくて、毎週決まった時間に都合をつけることが不可能な人も多いのではないかと思います。特に、以前は専業主婦をターゲットにしていた「習い事」は、今後は昼の時間に限定しない方式に変わっていくでしょう。個人的には、変わってくれないと私ができないので、早くお家で出来るVR(ヴァーチャルリアリティ)習い事とかお手頃価格で販売されないかと思っています。

在宅ワーク・自宅学習のデメリット

在宅ワークも自宅学習もメリットがある以上、デメリットは存在しています。どちらにも共通するデメリットはモチベーションが保ちにくいということでしょう。一緒に仕事する、または学ぶ仲間がいないことから、競争意識から解放されすぎて、結果、「進みが遅くなる・最悪全くやらない」といったことが起こりやすくなります。

在宅フリーランスで仕事をしていた時は、締め切りが明確にない場合ほど、仕事へのモチベーション維持は難しくなりました。フリーで依頼が来た仕事は、締め切りや契約があいまいなものも多く、正社員として雇われている時と比べると、双方の関係があいまいであったように思います。特に仕事に必要なスキルアップのために研修を受ける、または仕事に必要なソフトを増やすなどは、自己負担になることから、きちんとした契約がない場合はおおむね断っていたように思います。あとは単純に周りに人がいないことが寂しかったです。喫茶店にいても、隣の人と話せるわけでもなく完全に他人なので、独特の孤独感があります。

また、社員として在宅ワークを行う場合も、自宅でのデメリットは存在します。子供がいる場合は顕著で、よく子供を膝に載せながらパソコンを打つパパママの姿がテレビで紹介されますが、実体験としては現実的ではないと思います。私自身は膝に乗せた子供に突然何かのキーを押されて「Wordが上書きモードに!!」「マクロの実行だけはやめて!!」などと叫んだことが多々あります。

もちろん家で仕事するメリットも確実にありますし、広がっていくとよいとは思いますが、集中しにくい環境要因も同時に存在しているのです。これはきっと自宅学習でも同じでしょう。なので、個人的には家の中と外、両方バランスよく取り入れていけるのが、理想ではないかと思っています。

エドテック・eラーニングの弱みと使い方

エドテックやeラーニングのデメリットを考えると、どうしても個別の問題に100%対応するのが難しいという点があります。画面越しでは伝わりにくい「体温や息遣い」のような人独特の感触。対面ならわかるけれど、文字や画面越しではわからない微妙な変化はまだまだあるでしょう。特に体調不良までいかない「今日の調子の良さ」のようなものを、画面越しからはかるのは本当に困難だと思います。

一方で、リアルでは会わないからこそ心を開いて接することができるというメリットもありますので、ここも使いどころだと言えるかもしれません。エドテックもeラーニングも、ツールとしてうまく使いこなす技量が必要になっていくでしょう。

人にしか伝えられない熱量をICTで

機械やアニメーションでは伝えきれない、人にしかない熱量というものはまだまだあると思います。教育の分野においても、とにかく熱い!人のモチベーションを理屈関係なしにあげてくれるような熱意をICTで伝えることができたら・・・、エドテックも完成形に近づくのではないでしょうか。