AnimateのHTML5書き出しで文字が潰れる問題

AnimateのHTML5書き出しでは「文字潰れ」が発生してしまうことがあります。
そこで、回避する方法を4つご紹介します。どれもメリット・デメリットのある方法なので、一番問題が少ないものを選ぶ必要があります。
それぞれの方法について説明していきます。

AnimateのHTML5書き出しは、HTML5のCanvasを扱いやすくするCreateJSと密接に絡んでいます。このCreateJS用に変換する中で、文字が潰れてしまうことがあるようです。

目次

イメージアセットの書き出し方式を「テクスチャ」にする

「パブリッシュの設定」のイメージアセットを書き出すのチェックの下、書き出し形式を「テクスチャ」にすると、そもそも文字は潰れません。今はこの方式がデフォルトになっている模様です。

イメージアセットを書き出すの「書き出し形式」をテクスチャに設定します。

この設定にすると、複雑なシェイプはすべて画像になってしまうため、日本語を含むテキストはほぼビットマップ形式の画像(JPEGやPNGなど)になります。拡大するようなコンテンツだと、ガビガビになってしまう可能性があります。また、ファイルサイズが大きくなってしまいます。
ただし、文字潰れが発生することはなく、編集に一手間を加える必要がないため、従来のままの工程で制作できます。

テスクチャ以外に設定した場合:

イメージアセットを「テクスチャ」以外に設定した場合、複雑な文字の一部が潰れてしまう場合があります。

例えば下記のように:

内部登録制度という文字の「内」「登」「度」の文字の一部が塗り潰されてしまっています。

「ビットマップ形式に変換」にする

対処方法の1つ目は、文字潰れの発生する要素をビットマップ形式に変換することです。コンテキストメニューの「ビットマップに変換」を押すと、特定の要素のみが画像になります。

コンテキストメニューです。一番下に「ビットマップに変換」があります。

この方法だと、flaファイル上でも画像になってしまうので、あとから文字を編集することができなくなります。また「テクスチャ」にしたときのように、ファイルサイズが大きくなってしまう、拡大時にガビガビになってしまう、といったデメリットも受けます。

大きくして分解し縮小する

文字が潰れてしまうのならば、事前に分解してやれば……と思っても、うまく分解されません。

「内部登録制度」という文字を分解した様子です。既に文字の一部が潰れてしまっています。

実は、フォントサイズをある程度大きくしてから分解すると、文字潰れを回避できます。これはフォントによってどのサイズなら大丈夫かが異なるので、いろいろと試してみる必要があります。

24ptだと潰れてしまっていますが、36ptだと問題なく分解できています。

これをまた元のサイズに縮小すれば、文字潰れなくパブリッシュできます。

36ptで分解し、24pt相当の大きさまで縮小した状態です。

ただし、この方法だと文字列を分解してしまうため、あとから文字を編集することができません。また分解によって行間の情報がなくなってしまうので、拡大→分解→縮小の間に発生する位置調整が難しく、微妙なズレなどが起きがちになります。

分解せずシンボルにする

この方法を応用して、大きいフォントで文字を作成し、シンボル化し、そのシンボルごと縮小することでも文字潰れは回避できます。

48ptで文字を作成し、自由変形ツールで50%縮小し24pt相当にしたものです。文字の塗り潰れはなく、シンボル化されているだけなので、編集も可能です。

キリのよい倍数で(2倍、4倍など)文字を作成し、シンボル化して、自由変形ツールで単純に50%, 25%にすると、縮小の手順が簡素化できます。行間なども(ほぼ)維持されるため、分解する方法よりも微調整の必要がありません。
また、文字をダブルクリックすれば、そのままのサイズで文字オブジェクトを編集が可能なので、先ほどの方法よりも編集の難易度は低くなりそうです。

懸念点としては、場合によってはシンボルが非常に多くなってしまうため、シンボルの管理法を見直す必要があるかもしれません。またシンボルの中に入ってしまうため、一気に該当箇所のフォントのみを変える、といった作業はしづらくなるかもしれません。

まとめ

というわけで、4つの方法について解説しました。

最後にまとめておきます :

方法メリットデメリット
「テクスチャ」にする制作しやすさ ◎ファイルサイズ大・拡大するコンテンツには不適
ビットマップに変換特定のオブジェクトのみを一発で変換できるファイルサイズ大・拡大するコンテンツには不適。文字を編集できなくなる
拡大・分解・縮小ファイルサイズ小さい微調整が大変。分解するので文字を編集できなくなる
大きく作ってシンボル化して縮小ファイルサイズ小さく、編集可能文字がシンボルの中に入るので、複数の文字列を直接操作しづらくなる

それぞれにメリット・デメリットがあるため、どの方法がよいとは一概には言えませんが、制作コストや制約に合うものを選択することが重要です。