ICTは学習障害の救世主!

一クラス平均35人から40人ほどが集まる教室には、様々な個性や特質を持った子どもたちがいます。中には知的発達に遅れは見られないものの文字の読み書きが極端に苦手であったり、学習の遅れみられる生徒がいることもあります。もしかしたらその生徒には学習障害の傾向があり、配慮が必要かもしれません。しかし教師は一人しかいないため、その一人一人に配慮を配りながら授業を進めるのはなかなか難しいのが現状です。

そこで注目したいのが、ICTです。教育の現場にICTを導入することにより、学習障害を持っている生徒が学びやすい環境を提供できるかもしれないのです。ここでは学習障害とICT教育についてまとめていきます。

 

就学前に気付きにくい学習障害

識字障害やディスレクシアという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。近年ドラマや書籍などでも目にするようになった、学習障害の一つです。学習障害とは聴力や視力、知的発達に障害は見られず、むしろ知的発達は標準であるのにも関わらず特定領域の学習に遅れがみられる状態のことを指します。学習障害には「読み」「書き」だけでなく「聞く」「話す」「計算する」といったものもあり、その症状も人により様々です。

学習障害は障害が目立ちにくく、就学前に判断することが難しいことから見落とされがちです。そのため本人が困っているのにも関わらず、普通級で授業を受けた結果、ついていくことが困難になってしまうということが多々発生します。

 

学習にICT教育を

学習障害を持つ生徒が授業を理解するためには、その傾向に合わせて支援が必要となってきます。例えば文字を読むのが苦手な生徒には、誰かが教科書や課題の音読を行うことにより、授業内容を理解しやすくしていくのです。しかし教師一人に対し何十人もの生徒が一斉に授業を受ける現在の教育スタイルでは、生徒一人一人の特性に合わせた支援はなかなか難しいのが現状です。そこで、ICTを活用することにより、それを打破できるかもしれません。

例えばタブレットを使ったデジタル教科書であれば、音声機能を利用して教科書の内容の読み上げを行うことが可能です。文字を書くのが苦手な生徒の場合は、黒板の内容を写真に納める、またデジタルノートを活用して写真や手書き、キーボード入力など得意な方法でノートを取るといったことも可能です。

 

ICTを活用して生徒の可能性を引き出す

学習障害は生徒の不得意分野をカバーしながら授業を進めることができれば、学力をきちんと伸ばしてあげることができます。しかし教師が一人の生徒に付きっきりでフォローするということは、難しいのが現状です。

ICT導入することにより、生徒の特性に合わせて教師の代わりに生徒の学習に対するフォローが可能となります。勉強する意欲があっても不得意とする分野のせいで学習に躓いてしまうのは、生徒将来にも影響を与えてしまいます。そのため、ICTを上手く活用することで学習障害の生徒も他の生徒と同じように将来に向けてしっかりと学ぶ機会を得ることができるのです。