eラーニングと一緒に取り入れたい「アクションラーニング」。効果と注意点は?

スマートフォンやタブレットがあれば受講者の都合に合わせて学習可能なeラーニングは、企業研修にも便利な学習スタイルの一つです。しかし一人でタブレットやスマートフォンの画面を見ながら一方的に情報を与えられるため、どうしても受動的な学習になってしまいがちです。そのような問題を解決する方法として、アクションラーニングを活用するという選択肢があります。今回は、eラーニング学習との組み合わせに効果的なアクションラーニングについてまとめていきます。

 

アクションラーニングとは

アクションラーニングとは、1900年代半ばより海外で取り入れられてきた、学習手法です。企業や政府機関などでも注目されており、日本でもNPO法人が設立され、アクションラーニングに関する講座や認定制度も設けられています。そのアクションラーニングですが、NPO法人日本アクションラーニング協会はこの学習法を次のように定義しています。

【引用】アクションラーニングは、グループで現実の問題に対処し、その解決策を立案・実施していく過程で生じる、実際の行動とそのリフレクション(振り返り)を通じて、個人、そしてグループ・組織の学習する力を養成するチーム学習法です。

(引用元:https://www.jial.or.jp/)

実例を通してチームで思考することにより、問題を解決する力を養うのがアクションラーニングです。思考するための知識が必要となるため、eラーニングなどで個々が学習をした後に実例を通してチームで学習することにより、深く学びを定着させていくことができます。

 

アクションラーニングの注意点とは

アクションラーニングは、eラーニングではなかなか高めづらい「考える力」や他人との議論や交流を通して得られる「気付き」などから、知識を実際に使うための力を身につけることが可能です。しかし、アクションラーニングには注意点もあります。

アクションラーニングは、実際に起こった事案を例に解決方法などを考察していく学習スタイルです。そのため「◯◯がこうしていればよかったのではないか」といったトラブルに関する責任追及や個人に対する攻撃に発展してしまう場合があります。

またチームで思考しながら解決策を導いていく必要があり「誰かがいいアイディアを出してくれたらそれで議論が終了」というわけではないため、課題解決という観点からいえば遠回りになってしまうこともあります。

そのため、上手く舵取りを行いながら学習としての議論を進めていく必要があるのです。

 

目標を持って取り組むことで大きな学習効果のあるアクションラーニング

eラーニングで基本的な学習をし、アクションラーニングで実際の議論やチームでの考察を行うことで、学習した知識をより強固なものへと変えることができます。しかしチームでの考察は舵取りを間違えてしまうと考えがまとまらない、トラブルに関する責任追及の場になってしまうといったデメリットもあります。そのため、個々がアクションラーニングの意義をしっかりと理解し、舵取りを行うことがアクションラーニング成功の秘訣ともいえるのです。